星野源11th single「ドラえもん」と「映画ドラえもんのび太の宝島」の私的レビュー

先月韓国で冬のオリンピックが開催された。
インタビューでメダルを獲った選手がこう答える。
「日本で応援してくださっているみなさんから、たくさんの勇気をもらいました。」
普段から一切スポーツ観戦をしない自分は、尻を掻きながら独り言を言う。
「勇気って何?勇気ってもらえるもの?そんなのアニメの世界とオリンピックでしか得られない特別なものじゃないの?」

実際自分も年齢を重ね、何事にも真剣に向き合って来なかったからなのか、
子供の頃の気持ちをほぼ忘れているせいなのか、
大人になって「勇気」という言葉を使わなくなっていたからか、言葉の意味すらわからなくなっていた。
ねぇ、勇気ってなに?
オリンピックが終わって直ぐ、源さんの11枚目のシングル「ドラえもん」がリリースされた。
「ドラえもん」を初めて聴いた時の衝撃は記憶に新しい所である。
何度聴いてもPOPで踊り出したくなるし元気や勇気がもらえる。
勇気・・・
勇気・・・。
勇気!!!!!
勇気の意味もわからなくなっていたのに不思議と源さんのドラえもんを聞くと"勇気”が沸いてくる、そう感じたのだ。
なんだこれは!!!なんなんだ!!この感覚は!!!
自分が感じた“勇気”と本来の言葉の意味が合っているのか知りたくなり言葉の意味を調べてみた。

―ゆうき【勇気】普通の人が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに(自分の信念を貫き)向かっていく積極的で強い心意気のこと。勇ましい強い心をいう。ー

源さんのドラえもんを聴いて沸いてきた気持ちは確実にコレだ。
なぜだかわからないが無性に勇気が沸いてくる。

そして源さんの“ドラえもん”のリリースから9日後、理由はわからいのだが、私は涙が止まらなかった。
「映画ドラえもんのび太の宝島」を劇場で見たのだ。
今まで映画館はおろか、テレビ放映すらも見たことが無かったドラえもんの映画。
まさか、この年齢になってドラえもんを見ることになろうとは!!しかも劇場での鑑賞をするなど思いもよらなかった。
映画の冒頭から源さんのドラえもんが流れるまで、なぜだろう何度も何度も涙がこぼれてくる。悲しい訳でもない。嬉しいも違うし、感動でもない気がするし、とにかくなぜだかわからないけど涙が出てくるのだ。
映画の終盤で流れる「ここにいないあなたへ」が流れた時、ストーリーに集中していたからなのか曲が流れたことに数秒気づかなかった。
絶妙で自然すぎる曲の入り、映画のストーリー、曲と源さんの声の優しさを感じた時、涙はピークに達する。
今まで色んな映画を見たが、こんな気持ちは初めてだった。
なんていうことだ!!子供のための映画だと高をくくっていた。
のび太は普段ドラえもんを頼って弱虫なのに、困難に直面した時自分の奥底にある勇気を振り絞り敵に立ち向かってゆく、しずかちゃんを助けたい一心で。きっとその姿に感動をし、気持ちを動かされたのだ。
自分がいつの間にか忘れてしまった気持ち。それを、星野源の「ドラえもん」と「映画ドラえもんのび太の宝島」は私に教えてくれたのだ。



★星野源11th single ドラえもんのカップリング私的レビュー★


【ここにいないあなたへ】
ドラえもん映画の主題歌をやると一報が入った時、ニュース番組でこの曲の一部が流れた。サビの部分だけだったが、とてもいい曲だというのは直ぐにわかる。

一瞬聴いただけでその世界に引き込まれた。
源さんはドラえもんの台本を読んでこの曲を書き上げたと言っていたので私は、逆にこの曲からどんなシーンで流れるのかを想像していた。
もちろん、貧困な私の想像力ではドラえもんの世界を描くことが出来ず、予想以上に良いシーンだった。

【The Shower】
思春期の少女を歌った曲。
もはや遠い昔の話過ぎて、自分が思春期だった頃はどんな気持ちだったのか、全く覚えていないが複雑な乙女心を表現した歌詞。しかもひらがなとカタカナしか使っていない。
とても37歳の男性が書いた詞とは思えない。源さんは全編ファルセットで歌っていて、ギターの音も泡のような、お風呂場のエコーがかかった状態で聞いているのような音色でとても心地が良い。


【ドラえもんのうた(House ver.)】
この曲をHouse verでやると聞いた時、自分の中で囁くように優しい声であの曲を歌うのであろうと想像していた。
ギター1本で演奏し曲調はバラード調、実際曲を聴いた時、またしても源さんはその予想を超えて裏切ってくれたと感じた。
自分が想像していたよりももっと、優しさがたくさん詰まっていたし、この曲は源さんが歌う為に作られたのではないかと思えるほどだった。
アレンジもアコースティックギターに加え、ピアノが演奏されている。ピアノの最高音の前奏と後奏。ピアノを習っていたので、あまり使わないその一番高い音が懐かしかった。
特に前奏ではおもちゃのピアノのような可愛い音に癒された。
CDのクレジットを見ずとも、このピアノは源さんが弾いているのだとわかった。
そしてまさかのビックゲスト、どらえもんの登場。確かにこの曲にドラえもんが出てこなかったら成立しない。源さんが「ぼくドラえもーん」と絶妙なモノマネを披露するのも何か違うし。
ドラえもんが、のび太の部屋からどこでもドアを使い、源さんの部屋に来て一緒にレコーディングをしたらしい。

SFだ!!!
私もそのどこでもドアが欲しい、源さんの部屋に行けるそのどこでもドアが・・・(私利私欲の為)
そして曲中の「アンアンアン」の破壊力がすさまじい。
特に最後の「アン」は想像以上に色んなところを刺されまくる。
源さんの声は凶器だ(笑)

1979年に初めて発表されたこの曲は、39年後の2018年に星野源によってまた新たな命を吹き込まれた。まるでこの日が来るのを待っていたように。
人気のアーティストがドラえもんという世界観だけで、CDを1枚作るなど誰が想像しただろうか。しかも非の打ち所の無い完璧な1枚。
こうやって世間や、私たちファンをいい意味で裏切ってくれる星野源からは、どうやっても目を離すことなどできない。


仕事の日、午前中に溜まりに溜まったストレスを抱えたまま昼休みに入る。
ビルの外に出るエレベーターの中で、iPodにイヤホンを装着し再生ボタンを押す。

源さんの曲、源さんの声が頭の中に響き渡ると、胸の辺りに燻っていたモヤモヤがスっと無くなるのだ。
午前中、削ぎ落とされてしまった自信、やる気、元気が源さんの曲を聴くことで、私の中で勇気が芽生えるように、不思議と復活し後半の仕事も頑張る気になれるのだ。だからいつも源さんには感謝している。

いつもありがとう。

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