源さんが紡ぎ出す歌詞の世界

~2017-10-2投稿分~


久しぶりの投稿になってしまったが今回は源さんが紡ぎ出す歌詞の世界について深く考えてみたいと思う。

私は今までずっとこう思っていた。

源さんが生み出す歌詞は難しい。1,2度読んだだけでは理解できない曲がたくさんあると。

その詞には生まれてこの方自分には存在しなかった世界が繰り広げられている。

「お題は提出しました。後はあなたの思うように解釈して下さい」とでも言っているようだ。

なぜそう思ったのか自分なりの方法で紐解いていこうと思う。

今まで、好きなアーティストの曲を聴く時必ず歌詞を読むことにしているのだが、今まで自分が見てきたアーティストの詞には必ずストーリーがあって読み進めてゆくとかならず何らかの道筋が見えるものだ。1曲がドラマのように起承転結がある。

私はそう言ったアーティストの曲ばかりを聴いていたし、近年歌詞を見て曲を覚えること自体少なくなっていたからか気づくこともなかった。

源さんを好きになり源さんをもっと知りたくて歌詞の意味を理解しようとするとこれがどうにもわからない。

考えて考えて1つの事が思い浮かんだ。

源さんが書く詞はドラマ仕立てではなく「詞」ではなく「詩」の世界観のようなのだ。

一度読んだだけではでは理解できなくて何度も何度も読み直してようやく理解できたりする、いや理解できないことも多々有る。

ドラマチックな展開などほとんど無くむしろ日常を歌っていることも多い。

私たちの生活に根付いているものを歌う。聴いていると源さんがまるで傍にいるような気持ちになる。

だからなのか、スーパーで買い物をしながら聴いているとなぜだか分からないが毎回胸がぎゅーっと締め付けられる。その日常の象徴とも言えるスーパーで聴くことは何らかの強い意味やメッセージがあるのではないか、そんな気持ちさえしてくる。

源さんがどこかでこう言っていた。

“歌詞に意味は必要無い”

詩人の谷川俊太郎氏も同じようなことを言っていた。

“詩っていうのは「意味」はあまり重要じゃないんです”

そうか、源さんの歌詞も頭で考えるのではなく心で感じて今どう思うのかが大切なんだ。

多分源さんはこうやって「詩」を書くように作詞をしているんだと。

「首筋のにおいがパンのよう」と意表をついた詩のような歌詞を素朴な温度のある声で歌うのだ。

これが人の心に響かないわけがない。

こうやって源さんが生み出す詞についての文章を書くに辺り、源さんの曲の歌詞、色んなアーティストの歌詞を見たり詩人の詩を見たりして久しぶりに感覚ではなく頭を使って考えた。

そういえば最近、こうやって深く物事を考える事など無かったと思う。

簡単にわからないからこそ真剣に考え、これだ!と自分なりの答えに辿り着けた時の喜びはナニモノにも変えがたい。

また源さんは私に初めての経験をさせてくれた。

彼は一度その存在を知ると次から次へと新しい星野源を知りたくなる。

まだ何か出てくるんじゃないか、きっと驚かせてくれるんじゃないかと。

わからない→わからないから知りたい→考える→答えに辿り着く→新しい疑問が沸くこのループだ。

簡単には掴めないそれが星野源の創り出す世界なのかもしれない。

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